再インタビュー実現! 歯科医師共生会、新たなチャレンジを開始【後編】

十条共立歯科医院が持つ、これまでの歯科医院にはなかった特性
―十条共立医院が持っている特性について、もう少し詳しく聞かせてください。
山本「先に述べた3つの柱(患者様との積極的なコミュニケーション・患者様のデンタルIQの向上・これらを土台とした、患者様との信頼関係)。この徹底こそが特性につながると言えます。
中でも特に重視しているのが、『患者様にとってデンタルIQがどんどんと身についていく』ような医院にすることです。
私たちは患者様にとっての選択肢を増やしたいと思っています。けれど、デンタルIQ(歯に関する知識)が高くないと、たくさんの情報の中から正しい情報を選択することができませんよね。
この部分に特化して、患者様に正しい知識と判断基準を持ってもらえるような環境づくりをしたい。それこそが、本質的なサービスだと考えています。」
都橋「デンタルIQというのは専門的な知識だけじゃなく、日頃の口腔ケアへの意識を高く持ってもらう、ということでもあるんです。
歯にとって、一番大事なのは予防です。患者様に『ちゃんと予防をしよう』という意識を身につけていただくことは、何もドクターでなくても出来ますから。医院スタッフみんなで患者様に伝えていきたいと考えています。」
柚木崎「十条共立医院の特性・・・では、私からは歯科医院の経営について少し。
前にも話したように、歯科医は競争が激化しています。一方で、歯科医の開業って資本面などの関係でけっこうハードルが高いんですよ。
けど、『医者ってこうでないといけない』『医師にお金の話はタブー』という古くからの考え方や倫理観のようなものがあって。
そこに縛られていると『より本質的な患者満足とは』『患者満足を実現するために必要な資本をどうやって作るか』という議論になりづらく、結果、患者様に十分な満足を与えられなくなってしまう。
当院を3人で共立したのは『私たちは資本も強化してやっていく』ということを提案したかった。きっと、こうした任意組合による共同設立のようなスタイルは、5年~10年後にはもっと増えているんじゃないでしょうか。
このスタイルであれば、今までだと『分院』という形でやっていたのが『新規開業』となる。当然、その医院を運営するのは『分院長』ではなく『院長』。立場の重みがまるで違います。
山本にも『自分の病院だ』という意識でしっかりやってもらう。『院長だよ、分院長じゃないよ』というところは、私もすごくこだわったところです。」
山本「私もマネージャー側の立場に立つのが今回初めてのことなので、柚木崎、都橋からアドバイスを受けつつ、自分で考える医院経営を身につけようとしているところです。
まだ慣れていないというのもあって大変ですが、共生会のバックアップがあるという安心感や、柚木崎、都橋への信頼感に支えられています。
どんどん理想に近づいているので、今はとても充実しています。」
柚木崎「そうだね、これが実現できたのも信用関係があったからだよね。僕にとっては学生時代に2人が課題を手伝ってくれたおかげで卒業できた・・・っていう、絶大な信頼があるから(笑)。」
山本「逆にそれがないと、こうしたモデルは成り立たないのかもしれません。付き合いが長く、互いの長所短所が明確なので、そこを補完し合える関係づくりができた。」
柚木崎「初めてのチャレンジだったから、ドライな関係性の中でやるのは望ましくなかったんです。近しい人間でやりたい、という想いはあったので、ようやく実現に向けた一歩を踏み出すことができた、といったところです。」
山本「患者満足度の追究ができる環境をもっともっと作っていきたい。医者の押し売りではなく、患者様がちゃんと納得して選んで満足して帰って頂けるような医院をもっとたくさん、それが当たり前になるようにしたいですね。」
夜21時まで診療していて、日曜診療にも対応。バリアフリーが徹底された院内にはキッズルームも備えられており、地域の方々に居心地の良い場所になるように作られている。