歯科医師みんなが助け合い、成長できる場を!「歯科医師共生会」のみなさんにお話を伺ってきました【その3】

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共生会を通じてより良いキャリア形成の機会を提供したい

 

 

―ほかにどんな活動を予定されていますか?

 

 

 

横川「ひとつは、医学生・新人医師の進路相談会、学生アルバイト体験などの実施ですね。進路相談会は規模が大きくなると、医院のほうから医学生や医師を採用しに行く『就活フェス』みたいな形になるのかもしれません。」

 

 

都橋「地方への医師の派遣もしていきたい。これはどういうことかというと、今、歯科医療の現場では新人医師に対して多忙などの理由でちゃんと教育する時間が取れていないなどの問題が出ているんです。」

 

 

柚木﨑「医院ごとに個別の教育プログラムがあるところはあるけど、全体としての基準みたいなものもなくて。『習うより慣れろ』というか…たぶん新人医師だと思うんですが、すごく緊張しながら汗びっしょりで施術してる人とかいますからね(笑)。」

 

 

横川「そういう環境にいる新人医師に、地方にある医院を紹介して、そこにいる先輩からキチンと技術・サービス・経営ノウハウを教わってから自分の適性を見つめなおすということもアリだと思うんです。

 

 

歯科医業界って、フツーの企業みたいないわゆる『就活』って無いんですよ。学生時代の教授や先輩のツテだったり、そういうつながりで勤務先を決めることが多い。自分の適性を知るための機会が少ないんです。」

 

 

都橋「それで適性に合わずにツラい経験をしてしまう医師も少なからずいます。」

 

 

横川「共生会の紹介で地方に出て、一定の技術や知識、考え方を身につけたうえで地方に残るか都心に戻るかを決めたらホントはベストなキャリア形成なんじゃないか、と考えています。まあ今は地方に行きたがる医師って少ないですけどね、やっぱり。」

 

 

柚木﨑「地方へ出るのも有効な選択肢のひとつ。その意義に関する啓蒙もしなきゃいけないんです。」

 

 

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顧問の医療法人社団 柚ノ木会理事長 柚木﨑 剛介さん。鋭い視点で業界の今を斬る!

 

 

都橋「ほかに、機材の共同購入システム人材や機器を会員間でシェアする仕組みをつくっていく予定です。」

 

 

横川機材の共同購入システムですが、開業医は個人経営なので購買力が弱いんですね。それをみんなで検討して、みんなで購入すると。そうすればだれも損しない。他業界ではすでに存在する仕組みなんですよね。」

 

 

都橋人材や機器のシェアは、たとえば自分が体調を崩したとき、開業医は基本的に個人経営ですから医院は回らなくなります。そういうときに他院から人材をシェアしてもらえれば、状況を乗り切ることができますよね。

 

極端な話、人手が足りないときには麻酔を打つだけでも手伝ってもらえると助かるので、そういう助け合いの仕組みにしたいと思ってます。

 

ほかにも歯科衛生士さんやインプラント医のシェアがあります。

 

歯科衛生士さんなど、人材が不足している職種は雇用するのも大変ですし、また人件費の負担も大きい。

 

衛生士さんをシェアすることで各院の負担を軽減し、衛生士さん自身も成長の機会が増える。さらに言えば、新人医師が歯科衛生士をやってもいいんです。現場を経験できる機会になるため、新人医師にとってもプラスになります。

 

 

インプラント医については、今インプラントが施術できる歯科は全体の2割ぐらいと言われており、残り8割は患者さんに対してインプラントの提案じたいをしていないはずです。それがインプラント医をシェアすることでまず提案ができるようになり、しだいにノウハウも流入するので医院の対応力も向上します。」

 

 

―なるほど、かなり盛りだくさんな構想が練られていますね!

 

 

 

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アドバイザーの株式会社Y’s for medical代表取締役社長 横川 泰之さん。
共生会のビジョンを具体的なコンテンツに落とし込み、会をサポート!

 

 

では最後になりますが、これからの会のビジョンとしては、どういったものを描かれていますか?

 

 

 

都橋「開業する医師には、やる気はあるんです。だけど患者さんの満足度を高めるプレゼン力が足りなかったり、立地が悪かったりで苦しむケースが多い。そこをサポートできる活動にしていきたいと思います。」

 

 

柚木﨑「かつて高倍率だった歯学部も今は定員割れしているところが多く、歯科医の数は減少しています。コンビニよりも多いといわれる歯科医院のマーケットの中で上手くやっていくことが難しいために、歯科医を夢のある職業だと思える人が減っているという現実があります。

 

 

だけど、それは本当は後ろ向きな話ではなくて、逆に言えば大きなチャンスだと思うんです。開業すれば儲かる時代が終わり、「経営やサービスに即した医療」が重視される時代が来た。そう考えると、経営に対して正しい知識を身につければ出来ることは本当にたくさんある。それを特に若い世代には伝えていきたいですね。」

 

まとめ

―予定を大幅に上回る時間でインタビューに対応いただき、今の歯科医業界の課題や将来のビジョンについて、その熱い想いを余すところなく語っていただきました。

 

 

医療・福祉の明るい未来づくりをお手伝いしたいと考えている私たちメディウェルギャラクシーにとっても、とても大きな刺激になりました。

 

 

「これまでの業界の固定観念を変える」共生会の活動は、みなさんと異なる業界であったとしても、少なからず共感できるところがあったのではないでしょうか?

 

 

メディウェルギャラクシーでは、これからもみなさんの心を動かす記事をどんどん発信していきます。どうぞご期待ください!

 

 

 

◆歯科医師共生会よりメッセージ

歯科医師共生会では、興味をもっていただいた歯科医師のみなさんからのご参加をお待ちしております!
Facebookページでも活動報告を随時公開していますので、是非見てみてくださいね。

◆歯科医師共生会公式facebookページ
https://www.facebook.com/shikaishi.kyouseikai

 

この記事は、2013年10月26日に行ったインタビューをもとに編集したものです。
本記事に関するご意見・ご感想はこちらまで。
メディウェルギャラクシー編集長 安部 亮多 abe@d-s-p.jp


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