メンタル疾患から生じる悩みや困難をなくしたい―株式会社Leaps Japan代表 片岡 真由美さんインタビュー【前編】

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こんにちは、メディウェルギャラクシーの安部です。

 

 

 

うつ病や統合失調症などの精神疾患。以前よりもその認知度は向上しているものの、病気への誤解や理解不足、そして当事者たちの社会参加への高い障壁という現状は、依然、大きな課題として立ちはだかっています。

 

 

 

株式会社Leaps Japan(リープスジャパン)では、精神疾患に対する誤解を無くし理解を促しながら、早期対応による早期回復を促進したいという想いのもと、あるプロジェクトを運営しています。

 

 

 

代表取締役の片岡 真由美さんに、インタビューを敢行しました。

 

 

家族のためのうつ病対策アプリ『PINT(ピント)』

 

―片岡さんが株式会社Leaps Japanを立ち上げたのは2012年ですね。まずは事業内容について教えてください。

 

 

 

片岡「メンタル疾患にまつわる様々な問題解決を目的として起業し、まず第一弾として、うつ病の疑いがあったり、うつ病と診断された方の家族をサポートするアプリ『PINT(ピント)』の企画・制作・運営を行っています。

 

 

 

『PINT』は、もし家族の誰かがうつ病かも? と感じたり、うつ病と診断された時に、まず何をすればいいのか? ということを、状況に応じて順を追って教えてくれるアプリなのです。2013年にAndroid版、2014年にiOS版をリリースしています。」

 

 

 

―うつ病についての知識が詰まった辞書アプリのようなイメージ?

 

 

 

片岡「いえ、辞書とは少し違いますね。

 

 

 

『PINT』は、『うつ病かも?』という懸念が生じたタイミングから治療が終了するまでのさまざまな状況において、その時々で必要な知識と、さらに『何をすればよいか』の情報を提供してくれます。単に必要な情報を検索して探す辞書とは異なり、シチュエーションに応じて最適な情報をアプリ側から提示してくれるシナリオフロー型情報提供アプリなんです。

 

 

 

たとえばですが、ある日『夫がうつ病なんじゃないか?』という疑問を持ったとします。気づいたご家族は、とても大きな不安を抱くと思うんです。症状のこと、家族として支えていけるのかということ、本人の仕事・収入のこと・・・

 

 

 

そうした不安の一因として、『先が見えない』ということが挙げられます。つまり、家族がうつ病と診断された場合に一般的にどのように治療が進んでいくのか、その間の仕事や収入はどうなるのか、という知識がないために、不安が大きくなるんです。『PINT』を使うことによって、全く知識がない状態であっても、その場その場で何をするべきなのかという道標をもつことができるようになります。

 

 

 

たとえば、これは弁護士から聞いた話なのですが、特に若い人はうつ病と診断されると誰にも相談せずすぐに会社を辞めてしまう人が多く、会社には休職制度やその間の収入保障など病気療養に専念できる制度があることを知らないのではないかという印象を受けるそうです。また、うつ病で会社を休むと会社を解雇されても仕方がないと考えてしまう方もおられますが、労働基準法では病気による解雇を制限しています。病気になったとしても必要なタイミングで自分達の生活を守る制度や法律がある事を家族が知っていれば、対応方法が分かるので先の見えない不安も和らぎます。」

 

 

 

―当事者ではなく、家族が使うことを前提としたアプリなのですね。

 

 

 

片岡「そうです。私は以前、うつ病や摂食障害をもった患者様に治療プログラムを提供している企業に勤めていました。そこで私が強く感じたのが、家族へのサポートの必要性でした。というのもうつ病は発見・対応が早ければ早いほど回復も早いと言われています。ほかの病気と同じく、『早期発見・早期対応』が重要なのです。

 

 

私が企業で相談を受けていた時、最初に相談にいらっしゃるのは実はご本人ではなくご家族であることがほとんどでした。体調を崩されているご本人はもともと真面目で努力家の方が多いので、自分自身でうつ病だと自覚したり認めたりすることは難しいし、そもそも体調が悪いので気力も落ちています。だから早期発見、早期対応のために、ご本人の微妙な変化に一番早く気づくことができる家族のためのアプリとしてリリースしました。」

 

 

 

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シンプルで直感的な操作ができる親切なインターフェース

 

 

 

 

―ほかにどのような特徴がありますか?

 

 

 

片岡「このアプリでは、コンテンツ閲覧の進捗状況が同期されるので、前回前回読み進めたコンテンツから閲覧を再開することができます。また、個人情報は一切取得していません。当事者の方、ご家族の方のプライバシーに関して、このアプリを通じて情報を受け取るということは一切ありませんので、どなたでも安心してご利用いただけます。

 

 

 

また、提供される情報は随時追加・更新しており、今後もコンテンツは増やしていく予定です。『PINT』が提供している情報はすべて現職の精神科医、精神保健福祉士が監修しておりますので、この点も安心してご利用いただきたいと思っています。」

 

 

 

―ちなみにアプリ名の由来は?

 

 

 

片岡「アプリにはうつ病に対応するヒントが詰まっています。困った時って『?』になりますよね。このアプリを利用してヒントを得る事でピンときて『?』が解ける。?マークってアルファベットの『P』に似てますよね? つまり、ヒントと『ピンとくる』と?マークを掛け合わせて『PINT(ピント)』としました。」

 

 

 

 

後編へ続く

 

 

 

 


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