誰にも訪れる「看取り」のとき。気になる看取りに関する現状とは

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この「話のネタに!雑学講座」では通常、医療や介護に携わる方々が、ふだんのお仕事や患者様・お客様とお話しするときなどに使えるちょっとしたネタを紹介していますが、今回は普段よりも重いテーマでお届けします。

 

 

テーマは「看取り」。その現状について基礎的な知識をお伝えしますので、何かお役に立つことができれば幸いです。

 

 

看取りとは?

 

看取りとは人生の最期のケアをすることです。そのため、緩和ケアやエンゼルケア、終末期ケアと密接な関係にあります。緩和ケアや終末期ケアは、近い将来お亡くなりになるであろう方の身体的や精神的な苦痛をできる範囲で緩和し、その人にとっての充実した最後を迎えられるように行う介護や援助のことを指します。

 

 

看取りの最後、亡くなられた方の処置に関しても以前とは形が変わってきています。病院では亡くなられた後は綿詰めや清拭などの基本処置のみをして専門業者にお願いする形になっていましたが、最近ではエンゼルケアという形も増えてきました。

 

エンゼルケアは、死に立ち会う専門職という立場で患者さんやご家族と向き合い、患者さんの死の直後から、ご家族への精神的なケアも含めて出来る限りの援助を行うものとなっています。

 

 

在宅で看取るための準備とは

 

在宅で看取るためには準備が必要です。自宅で死を迎えたいという方は多いですが、実際には病院で看取られる方も多くいます。最期を迎える間際に容態が急変すれば家族が救急車を呼ぶなどの対応を行うケースが多いため、自宅ではなく病院での看取りになるというのが主な理由です。

 

 

在宅で看取るためには医師や看護師との連携だけでなく、家族の心の準備も大切です。本人の意思と家族の希望を確認したうえで、医師や看護師、ケアマネージャーなどが連携して看取る体勢が必要となります。

 

時折、「在宅での看取りで警察を呼ぶようなことになったら」という懸念を持たれる方もいらっしゃいますが、医師や看護師、ケアマネージャーなどと連携する体勢が整っていれば、医師が死亡診断書を書くことで問題なくその後の対応を進めることができます。

 

病院で看取った場合には

 

病院で看取るときの流れとしては、医師が診断をし、判定することによって死が決定します。死亡判定された後は、立ち会った人々によって死者との別れの儀式が行われることがあります。末期の水、あるいは死に水と呼ばれる儀式です。

 

病院では看護師によって遺体を消毒して整える清拭が行われます。本人が好んだ服や着物を着せたいときには、このときまでに用意しておくと良いでしょう。清拭の費用は一般的には治療費とは別に後から病院からの請求がありますが、事前に確認しておくとよいかもしれません。

 

 

病院で亡くなるといったんは霊安室に安置されることになります。予定している葬祭業者があれば連絡をして搬送を依頼します。また、葬祭業者は病院に紹介してもらうこともできます。

 

 

 


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