「笑顔習慣」でコルチゾールを抑制し、心身ともに元気になろう

不規則な勤務時間、上司や同僚との人間関係、患者・利用者とのコミュニケーション・・・医療・介護を問わず仕事に疲れとストレスはつきもの。だけど忙しい中ではちゃんとした休息時間を取ることも難しく、気付かないうちに気持ちがずいぶん弱ってしまう・・・そんな心当たり、ありませんか?
毎日の仕事や人間関係にもまれながら、それでも一生懸命にがんばっている自分にほんの少しの元気を与えられるカンタンな方法、それが「笑顔をつくる」ことです。
「疲れてるのに、無理してまで笑えない!」
その言葉、ごもっともです。ただ、笑顔が元気をもたらすというのは単なる気休めではありません。さまざまな研究の結果、笑顔が身体と心の健康にメリットを与えることが証明されてきたのです。
「笑う門には福来る」。ほんの少しの習慣で、昨日より前向きな自分になってみませんか。
笑顔習慣でストレス低減!
「コルチゾール」をご存知ですか? コルチゾールとは副腎皮質から分泌されるホルモンで、糖質コルチコイドの一種。炭水化物、脂肪、タンパク代謝を制御するという、生きる上では欠かせないホルモンです。
一方、ストレスが貯まると分泌量が増えることからストレスホルモンとも呼ばれています。コルチゾールの分泌量が増えすぎると血圧や血糖値の上昇、免疫機能の低下など、さまざまな症状を引き起こしてしまいます。
このコルチゾールの過剰な分泌を抑えるのに効果があるといわれているのが「笑うこと」なのです。
ある研究では、笑いによってコルチゾールの分泌量が抑えられると免疫力に関係するNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化し、免疫力が向上。さらにエンドルフィンやドパミンなどの分泌を促し、ストレス解消効果も得られ、結果として体調が良くなるということが報告されています。
もちろん、毎日お笑い芸人の漫才を見ているわけにもいきませんので、自然な笑いを求めようとすると限界があります。
そこでオススメなのが「笑顔を意識すること」です。
これは何も、1人でいつもニヤニヤと笑って過ごそうと言っているわけではありません。それではただの不気味な人ですし、何よりも自分が疲れてしまいます。
ここでいう「笑顔の意識」とは、ふだんの表情からほんの少し、口角を上げること。たったこれだけなんです。
はじめはほんの1cmでもいいので、口をきゅっと引き締めて、口角を上げてみてください。朝、顔を洗うとき。日中、トイレを済ませて手を洗うとき。自分の顔を見て、口角が上がっているかを確認するように意識づけてみます。
しばらく続けていると、だんだんと意識せずに口角が上がった状態をキープできるようになります。
こうして笑顔を意識するだけでもコルチゾールの抑制には効果があるといわれています(!)。表情を動かすこと自体が脳に刺激を与えるということも関係しているのかもしれませんね。
笑顔を意識することは、実はほかにもたくさんのメリットがあります。
ひとつは、コミュニケーションが良くなるということ。あなた自身はただ笑顔をつくっているだけかもしれませんが、相手から見ると穏やか・和やか・やわらかい・優しいという印象を抱かれ、角が立ちにくくなります。
職場の同僚や患者・利用者と上手にコミュニケーションを図っていく上では、とても大切なことですね。
上に述べたように免疫力の向上により、癌予防、心臓病、糖尿病、リウマチなどにも効果があるといわれています。
何より、どんなときでも明るい表情で過ごしていれば、周囲からの信頼もぐっと高まるはず。あなたが何かを頼もうと思える相手は、いつもつらそうな表情をしている人よりも、前を向いてイキイキとした表情で過ごしている人ではないでしょうか。