住みたい地域に安心して住めるコミュニティを。「福祉マンションをつくる会」インタビュー

以前、誰かが言っていました。
「『住む』を英語で言うと『live』。でも、これって『生きる』って意味でもあるわけだよね。
だから住む場所っていうのは生きる場所。生きていくことと切り離せない、とても大事なことだと思う。」
こんにちは。 医療・福祉の”熱い”情報発信ステーション「メディウェルギャラクシー」編集長の安部です。
今回は全国5つの支部で『福祉マンション』の設置や、それに関わる種々の事業、共生という考え方や老い支度などに関する活動を繰り広げられているNPO法人『福祉マンションをつくる会』さんにお話を伺いました。
同会が推進している『福祉マンション』と、それを中心としたコミュニティづくりは、まさにそうした『生きる場所』づくりなんだと感じます。
どうぞご覧ください!
―ではまず貴会の名前にもある『福祉マンション』について…なんとなくイメージできるような気もするのですが、どんな特徴のあるマンションなんでしょうか?
「当会の考える福祉マンションとは、まず少なくとも10世帯以上の集合住宅(マンション)であることを想定しています。
その上で、以下のような特徴をもったものを『福祉マンション』として考えています。
◆居住者同士が…
1.おたがいの暮らし方と住まい方を尊重し、違いを認め合って暮らす。
2.よそよそしさに逃げこまず、気付きあう関係で安心を創り出す。
3.建物の共有意識に基づいた自主的かつ協同管理の仕組みがある。
4.生活者・市民として、地域で暮らし、社会とかかわりあう。
5.居住者による相互扶助や第三者による支援など支えがある。
◆建物は…
1.ユニバーサルな設計思想に基づいて建設されている。
2.居室は個人の尊厳確保が十分配慮されている。
3.食堂など、居住者の交流・交歓のための共同スペースがある。
4.コミュニティと交流するための場所が準備されている。
このように考えています。」
会員の交流を深め合うイベントなど、多数の催しを企画している
―かなり詳細で具体的に定義しているんですね!ところで、会の活動の主軸を福祉マンションに置くに至ったのはどういった経緯からなんでしょうか。
「近年、老後の介護や若い世代の子育て、障害を持った人や一人暮らしをする人のサポートなど、ふれあいが希薄になった地域社会では支えきれないことがでてきています。
そこで私たちは、『住みたい地域に安心して住み続ける』ための新しいかたちのコミュニティをつくりたいと考えたんです。
住まい手自身が話し合い、学び、知恵を出し合って、つくっていくコミュニティ…そうしたコミュニティの中心とするために『福祉マンション』という考え方を提示しました。」
―なるほど。そうしたコミュニティづくりのために、どのような活動をなさっているんでしょうか?
「まず、『老い支度』をテーマにした各種セミナー等のイベントです。3月は『口腔ケア』、『正しい歩き方』についてそれぞれセミナーを開催しました。
「福祉マンションをつくる会」主催イベントのもよう。会場は大勢の参加者で埋め尽くされています!
ほかにも、高齢者向けの住宅の見学会、自分で考えておく必要のある「相続」や「尊厳死」の学習など、さまざまな催しを企画しています。
情報はホームページでも公開しているので、ぜひご覧になってみてくださいね!」
―では最後に、本記事をご覧になっている方へのメッセージをお願いします。
「私たち『福祉マンションをつくる会』は、福祉マンションづくりや住まいを選択する力をつける「住まいづくり」、老い支度や健康などよりよい日々の生活のための「暮らしづくり」、会員相互の交流や、 会の活動への応援団を募る「仲間づくり」の3本柱を軸に活動しています。
現在は395人の会員(2013年12月末時点)のみなさんに支えられ、こうした活動を通じて地域社会における福祉の充実を推進しています。
会員は随時募集しておりますので、ご興味のある方はホームページをご覧いただくか、ぜひ一度お問い合わせください!」
団体概要———————————————————————-
・設立年月 2001年2月2日
・代表者氏名 理事長 井上亮子
・所在地 東京都新宿区高田馬場4-11-5 三幸ハイツ201
・電話番号 03-3367-3416
・メールアドレス kaiin@fukushi-m.jp
・会員加入方法 入会申込書の提出(FAXまたはメール)とゆうちょ銀行への振込
※詳細はホームページをご覧ください。