話題の「ユマニチュード」に迫る!「ホスピタリティ☆プラネット」講演レポート

市民のための福祉勉強会『ホスピタリティ☆プラネット』に参加しました。
ホスピタリティ☆プラネットは主宰の藤原瑠美さんが2001年からスタートした勉強会です。
人と人が温かなかかわりをもつ社会を、ともに学んでいくことで実現したいという想いをもって立ち上げ、現在まで定期的に開催されてきました。
今回のテーマは、最近になって耳にすることの増えてきた『ユマニチュード』。その内容に迫ります。
認知症ケア技術として注目が集まっている「ユマニチュード」
ユマニチュードとは、ケアを行う人が高齢者に対してその人が理解できるかたちで優しさを伝える、フランス生まれのケア技術です。
日本にユマニチュードを紹介した国立病院機構東京医療センターの本田美和子氏による講演が行われました。
「同じ目線の高さで、触れながら、優しく前向きな言葉を途切れなくかける。今まで着替えや歯の掃除に激しく抵抗していた人が、素直に受け入れてくれるということもありました。」
たとえば高齢者をベッドから起こすために看護師が腕をつかんだとします。
認知症の高齢者にとっては、それがまるで街中にいて突然後ろから腕をつかまれたように感じている、と、高齢者の気持ちをこのように例えていました。
見る、話す、触れる…ひとつひとつの繊細な心配りをもって相手に接する…これは何も医療現場や福祉施設だけの話ではないのではないでしょうか。
家庭での介護でも生かすことができますし、さらに言えば、「相手の置かれている状況をよく考えて、それに応じてアクションする」というユマニチュードの本質は、人と人のコミュニケーションそのものだと気づきました。
勉強会の参加者たちも、先生の話に深くうなずきながらメモを取ります。新鮮な驚きやすぐにでも使えるリアルな情報が盛りだくさんの講演は、あっという間に終わりました。
主催『ホスピタリティ☆プラネット』藤原氏インタビュー
藤原「2001年にホスピタリティ☆プラネットを立ち上げてから、ユルく活動してきて気が付いたら10年以上が経っていました。
ホスピタリティ=分け合って生きる、ということを念頭に置いて、会の理念である『人と人が温かなかかわりをもつ社会になるといい! 学ぶことで実現したい!』という想いでやってきました。
最初は自分一人で取りまわしていたのが、今では多くの方々にお手伝いいただき、これだけたくさんの参加者の方にもいらしていただけるようになりました。
これからも、ユルい感じはこのままに、活動を続けて参りたいと思っています。」
周りを見渡すと、参加者の多くが賑やかに会話を交わしながら情報交換や交流を楽しみ、とても良い雰囲気に包まれていました。