子宮頸がんを乗り越えて…伝えたいのは「生きること」 阿南里恵さんにインタビュー

がんの啓発などに取り組む阿南さん

 

 

 

こんにちは。メディウェルギャラクシーの安部です。

 

 

 

以前紹介したフットサルリボン活動を主宰する傍ら、全国各地でがん啓発のための講演やセミナーを行い、また厚生労働省 がん対策推進協議会委員や国家プロジェクト『がん対策推進企業アクション』のアドバイザリーボードメンバーとして国のがん対策に取り組むなど、幅広い活動を続けている阿南里恵さんにインタビューしました。

 

 

 

取材当日も埼玉県立鳩ヶ谷高校での講演予定が入っており、その終了後のインタビュー。講演で高まった熱も冷めやらぬ中、阿南さんのこれまでとこれからについて、お話を伺うことができました。

 

 

 

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埼玉県立鳩ヶ谷高校。500人を超える生徒が集まり、阿南さんの講演に真剣な表情で耳を傾けていた。

 

 

  

死と隣り合わせの日々…自分の想いを『命の授業』に込めて伝える

 

 

 

―今日は講演、お疲れ様でした。

 

 

 

阿南「ありがとうございます!今日はかなり大勢でしたね(笑)」

 

 

 

埼玉県立鳩ヶ谷高校の生徒たちに向けて、『がん』を知ること、そして『命』と向き合って生きるということについて、講演を行った阿南さん。500名を超える生徒たちが集まる体育館で、自らの経験を、当時の心境も交えながら話していました。

 

 

 

そう。阿南さんもかつて、がん患者でした。

 

 

 

23歳で子宮頸がんを発症し、その後、抗がん剤、広汎子宮全摘出手術と放射線治療を受けました。今でこそ多方面で活躍している阿南さんですが、発症してからは本当に言葉にできないほどの絶望や痛み、後遺症に苦しんでいたということです。

 

 

 

阿南「私がかつて経験した子宮頸がんは、20代から30代の女性に最も多い病気です。私と同じ苦しみを、若い子たちに味わってほしくない。がん検診の大切さを早い段階で知ってもらいたいと思っています。」

 

 

 

―がんを乗り越えてから、講演をスタートするに至ったキッカケは?

 

 

 

阿南「治療が終わった後、予想以上の体力の低下から職場復帰を断念し、実家で生活しながらアルバイトをして徐々に体力を回復させていきました。

 

 

 

そして再び東京での正社員の仕事が決まって、やっとまた自分の生活に希望が持てたと思った矢先に・・・後遺症に襲われました。

 

 

 

日常生活であれば支障なく過ごせるんです。けれど、たとえば長時間立ちっぱなしの仕事をしたり、残業や休日出勤がしばらく続くと突然足がパンパンに腫れて、40度近い高熱が出てしまうんです。そうなると熱が下がるまで寝ているしかないので突発的に仕事を休むことになります。

 

 

 

結局、会社が忙しい時期で人手が必要!というときに限って動けなくなってしまう状況に陥ってしまい、『ここに居ても迷惑をかけてしまうだけだ』と思って、やむなく退職しました。

 

 

 

けれど、止まれなかった。ずっと『死』と隣り合わせの状態だったから、すぐにでも、一日でも早く、何か世の中の役に立ちたい!という願いがとても強くて、いつもその方法を模索していました。

 

 

 

そうして始めたのが講演です。

 

 

 

話をさせていただくときには、ただ『がんを予防しましょう』『検診受けましょう』だけではなくて・・・『生きる』ということを伝える、『命の授業』として、話しています。

 

 

 

聞いてくださった方から『生きるということを改めて考えさせられた』『勇気をもらった』といった感想をいただいたりすることもあって。

 

 

 

私自身も、こうした皆さんからの声によって、生きる意味を感じることができるようになっていったんです。」

 

 

 

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やりたいことはたくさんある。生きることができたからこそ、一日一日を全力で

 

 

 

―ほかにもフットサルリボン活動や国のがん対策など、活動の幅を広げていますね。

 

 

 

阿南「厚生労働省の委託事業である『がん対策推進企業アクション』は、企業のがん検診受診率向上のための国家プロジェクトです。

 

 

 

従業員のがんを早期発見、早期治療するために、共に推進してくださるパートナー企業様を募集しています。パートナーになるにあたっての費用負担などはありませんので、ぜひ積極的に参加いただき、がん検診受診率の向上やがん患者の就労について議論を進めてほしいと思っています。

 

 

 

ほかにもたくさん、やりたいことはあります。

 

 

 

若い女性ががんによって生殖機能を失った痛み、苦しみ・・・それに対する世の中の理解は、まだまだ希薄だと思います。『命が助かったんだから、子どもを産みたいなんて欲張りすぎなのかな』と考えてしまったり、あるいは、周囲からそのように言われてしまったりする。こうした苦しみはなかなか世の中に伝わっていないというのが現状です。

 

 

 

がん対策推進協議会委員という立場から、そうした若いがん患者たちの声を国の政策に盛り込んでもらえるよう、働きかけていきたいと思っています。

 

 

 

そのほかにも、来年にはラジオ番組の出演や出版の予定もあるんです。たくさんのご縁から、いろんなことが動き出しているなって実感してます!」

 

 

 

―すごいバイタリティですね!きっと、そうして動き出したものがいつか一つに繋がっていくんだと思います。

 

 

 

阿南「そうですね。そうなるために、一日一日を全力で生きていきたいと思ってます。」

 

 

 

―では最後に・・・阿南さんが目指しているもの、夢として描いているものってどんなものなんですか?

 

 

 

阿南「夢ですか?う~ん・・・。

 

 

 

あまりハッキリとしたものではないんですが、私、ビジネスで結果を出したいんです(笑)。私はがんになる前ベンチャー企業でバリバリ働いていました。それがある日突然がんによって大きく人生が変わってしまって、今でも心のどこかで当時の人生に未練を感じています。だから、もう一度ビジネスで結果を出して過去の自分を超えたいんです。

 

 

 

その時にやっと自分の人生をすべて受け入れられるようになると思うんです。」

 

 

 

講演後にインタビューを行ったカフェにて。

向かい合って話すと、相手の目を見ながら丁寧に、力強く自分の言葉を伝える阿南さん。

 

 

 

 

◆がん対策推進企業アクション

https://www.gankenshin50.go.jp/

 

◆フットサルリボン

公式ページ:http://f-ribbon.jp/

過去記事:http://mediwel-galaxy.jp/archive/947/

 

 

 


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